25 第7ギョーザの店
この地の発展を見通した父と地域の常連様にとにかく感謝

原点の味が語る金沢餃子のルーツ
誰もが知る『第7ギョーザの店』。入口を進むと迎えてくれるのは、もっちりとした皮の「焼き餃子」と、香ばしく揚げ焼きにされた「ホワイト餃子」です。この看板商品二品こそが、店の二つの物語につながっています。
「焼き餃子」は、〝ナンバーギョーザ〟と呼ばれる系譜の味。始まりは、現代表・元雄有紀さんの祖父母が満州から持ち帰った餃子でした。通称〝第一〟と呼ばれる屋台餃子を皮切りに店舗を構えた「第二ギョーザの店」から親族を中心に独立が続き、番付のように店名が増えていきます。現在残るのは第五、第六、第7のみ。厚くもっちりとした皮と野菜の甘みが広がるやさしい味わいは、祖父母の人柄そのものです。有紀さんは「大好きだった祖父母。いつも他の店を見に回ってくれていた、やさしい人でした」と語ります。

「お客様の舌は侮れない」という久直さんの言いつけは絶対。特に材料は変えてはならないと、信頼する仲卸や精肉業者から良質なものを仕入れている。
父の決断が生んだ看板が金沢のソウルフードに
一方「ホワイト餃子」は、創業者である父・久直さんの決断から生まれました。提供時間の課題を解消しようと千葉へ通い、技術を学んだことが始まりです。当初は「焼き餃子」の〝弟分〟でしたが、人気商品へと成長。創業地の石引からもりの里へ移転したことも転機となりました。ぶどう畑が広がるだけの地域で二重借金までして土地を購入した父の決断は、のちに町の発展とともに実を結びます。パンチのきいた味わいで若者の胃袋を満たし続けた「ホワイト餃子」は、やがて金沢のソウルフードへと育ちました。


創業当時、店舗の前で久直さんが撮影した家族写真。抱かれている子どもが有紀さん。

にんにくを使用せず野菜の甘みを活かした「焼き餃子(大)7個」(700円/左)と、にんにくや香辛料を効かせ揚げ焼きにした「ホワイト餃子(中)10個」(700円/右)。
二代目が選んだ「信じる」という覚悟
〝ナンバーギョーザ〟の伝統を受け継ぐ系譜の味「焼き餃子」と、金沢のソウルフードへ育った革新の味「ホワイト餃子」。伝統と挑戦を物語る二つの餃子は、相反するようでいてどちらも店の核です。3年前、父のの久直さんが他界。有紀さんは「味は変えない。守り残すことが私の使命です」と語りつつ、自らは厨房に立たない道を選びました。現場主義だった父とは対照的に「本当にいいチームなんです」と仲間を信じます。フライパンを握る一人は、異業種から家業に入り『ホワイト餃子本店』にも修業に出向いた息子・浩之さん。「母がこの味を残すために頑張っている姿を見て、店に入る決心をしました」と、店を支えています。調理場には〈なぜお客様は第7に来てくれるのか〉〈おいしいとは何か〉などと書かれたと手書きの企業指針が貼られていました。仕事に問いを持ち、共有し続けるやり方が、受け継がれてきた味を守る力になっているのかもしれません。祖父母のやさしさ、父の決断、そして信じる経営。二つの餃子に宿る物語は地続きです。変えないために変わり続ける。その覚悟が、今日も多くの人の心を満腹にします。
第7ギョーザの店
店舗情報
- 店名
- 第7ギョーザの店
- 住所
- 金沢市もりの里1丁目259
- 電話番号
- 076-261-0825
- 営業時間
- 11:00~22:00(21:00L.O.)
- 定休日
- 火曜、水曜 ※その他不定休のためSNS要確認
- @dai7gyoza